心なんて何処かへ行ってしまったんだって僕は泣く [小さなお話]

_心なんて何処かへ行ってしまったんだって僕は泣く_

僕を愛してくれる人なんて初めからいたのかな?
僕は皆を愛していた。今だって、この瞬間だって愛しているよ?
だから…やめてよ…
僕を独りにしないでよ…

寂しいんだって、悲しいんだって、辛いんだって…
何度も言ったけど、聞いてくれる人なんかいやしなかった。
こころ が凍りつくのを感じていた。
僕が崩れていくのを感じていた。

小さい頃には家族も、友達も、好きな子だっていたんだよ。
でもね、消えてしまったんだ。
助けられなかったんだ。誰一人ね。
僕だけ独り、残ってしまったんだ。
わかっているさ。
君に言われなくたって、僕はわかっている。
でも仕方なかったんだ。
だってみんな僕を愛してくれなかったんだもの。
助けられなかった・・・じゃないね。助けなかったんだ。
火の海にいた家族も、銃で撃たれた友達も、目の前にいたけど助けなかった。
最期くらい愛してほしかった…。
僕は…僕は…愛してほしかった…

影の僕が何度だって言ってくるんだ。
「僕は誰にも愛されない。そんな僕は僕でさえも愛せない。」
そういって涙を流すんだ。
でも僕はもう涙を流すことはできなかった。
愛されない悲しみで凍てついた心が、何処かへと飛んで行ってしまったから。
ごめんね、悲しませてごめんね。ごめんね、愛せなくてごめんね。
心もみんなも僕の元へは戻ってなんてくれやしないまま。
僕は独りで朽ち果てていくのを感じる事しかできないで…
ご め ん ね 自 分 。

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